有性生殖

 生物が子孫を残すために新しい個体を生み出すことを生殖といいます。これには、雌雄の区別がないひとつの個体から子が生まれる無性生殖と雌雄が合体して子を生む有性生殖という2つの方法があります。つまり、生物としては雌雄の区別がなくても繁殖できるということになるわけです。無性生殖は自分が分裂して増えたりするだけなので、セックスする必要もありません。男も女もいないので、もし人間が無性生殖をしていたら、恋に悩むことはないでしょう。それはそれで羨ましいことですね。
 でも、無性生殖では、子々孫々がみな同じ遺伝子を持っているわけです。あるウィルスの侵入が可能になると、すべての個体がウィルスに冒されて絶滅しかねません。生物学者のウィリアム・ハミルトンはこのような観点から、生物は有性生殖によって自分と異なる遺伝子をもつ個体と結合することで、子孫にまったく新しい遺伝子を残そうとしたのではないかと考えました。
 そうした有性生殖を行う生物のなかには、精子と受精をしなくても卵子が細胞分裂によって成長することができる昆虫、爬虫類、鳥類、魚類などがいます。これを処女生殖といい、理論上はメスだけでも生殖できるということです。処女生殖は人為的に引きおこすこともできるのですが、2004年、東京農大の研究チームが哺乳類としては世界で初めて、メスのマウスの処女生殖に成功しました。
 これを人間に応用すれば、男とセックスしなくても女だけで子どもが産めるということになってしまいます。『聖書』によれば、イエス・キリストは母マリアの処女懐胎によって誕生しました。これを現実化するのは、まさに侵すことのできない神の領域だと思うのですが、どうでしょうか。

 戻る