発情期

 動物のメスには発情期といって、一年のうちに一度だけ排卵をして交尾を求める期間があります。なぜ発情期があるかといえば、自然界では常に豊富なエサに恵まれているわけではいため、気が向いたときに出産するということができないからなんですね。出産するにはエサが豊富な時期にしなければならない。だから、必然的に妊娠するべき時期も決まってくるわけです。日本のように四季のある国では、子が春に生まれるように発情期は逆算されて存在しています。
 発情期は、人間やゴリラやチンパンジーのような高等霊長類にはありません。それは、生活のパターンも一定であることと、食べ物に不自由しない環境を手に入れたことが大きいでしょう。性的刺激を受ければいつでも発情できますし、セックスもしたいときにできます。
 ピグミーチンパンジー(ボノボ)では、コミュニケーションとして乱交や同性愛が行われているようです。例えば雌同士の緊張が高まると性器をこすりつけあって緊張をほぐすのが観察されています。また、オスから餌をもらった雌はその代価に性行をさせるそうですが、これは人間と変わらないかもしれませんね。
 交尾を生殖のためだけに必要としている動物には発情期があればよいのでしょう。しかし、人間やゴリラ、チンパンジーのようにセックスをコミュニケーションの手段として使っている動物には、発情期は逆に障害でしかないわけですね。もし、発情が生殖のためだけであれば、人間の女のコは排卵日近くに性欲が高まるはずです。でも実際には、妊娠したくない場合には妊娠しにくい月経の前後に性欲が高まることが多いのも、人間は生殖のためだけにセックスをするのではない何よりの証拠といえるでしょう。

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