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ユダヤ教を改革したイエス=キリストによって唱えられた教えは現在、キリスト教としてとくに欧米で信仰されています。しかしながら、最初から人々に受容されたわけではありません。キリスト教がローマ帝国に伝わったときには迫害され、多くの殉教者を出しています。とくにローマの人々は性に寛容でしたから、純潔や婚姻の解消不能を求めるキリスト教は受け入れがたい宗教であったことでしょう。 しかし、その影響の拡大とともに、キリスト教は313年、皇帝コンスタンティヌスの勅令によってローマ帝国の国教とされました。以後、キリスト教は宗教的権威が社会生活を束縛する方向にうつっていきます。もともとイエスは婚外性交渉に言及してはいませんが、後代の教父による神学的解釈によって生殖を伴わないセックスは罪とされ、買売春も教義として禁止されました。 結婚は唯一セックスを許されるための目的となりましたが、しかし現代のように愛情があれば結婚できるとは考えられませんでした。なぜなら当時の社会は結婚を家同士の結びつきを第一に考えていたからです。当然『ロミオとジュリエット』的な恋愛結婚は許されることはなく、キリスト教的な考えからしても男女の愛情は、神への愛の冒涜と捉えられていました。結婚式が教会で挙げられることになるのは中世以降のことですし、結婚が宗教的権威と切り離されるのは近代になってからのことに過ぎません。 もちろんカトリックは単に人々に禁欲を強いるのではなく、聖職者に独身であることを求め、また修道士にも禁欲であることを求めました。ところが教会自体が売春宿を経営するほどに堕落したいたこともあって、ジャン・カルヴァン(1509〜64)やマルティン・ルーテル(1483〜1546)らプロテスタントによる宗教改革がおこったのです。カトリックはその後、プロテスタントに倣って恋愛結婚を許容しました。しかしそれでもやはり避妊は殺人と同じ罪深い行為位置づけ、現在でも人工的な避妊を認めていません。アメリカで中絶を認めるか認めないか議論がされているのもこのような経緯によるものです。 |
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